わずか30分の移動に12万円の専用車両、140㌔㍍も遠回りして観光地に寄り道――。都議会の自民、民主、公明各党が多額の税金を使った海外視察で、驚くべき無駄遣いをしていることが、日本共産党都議団の調査で明らかになりました。訪問地は「モン・サン・ミシェル」や「イグアスの滝」など、世界遺産にも登録された世界の名だたる観光地が並びます。海外視察の“豪華ぶり”を検証します。
1議員189万円、
全国平均の2・3倍
 海外視察を実施する道府県議会が年々減るなかで都議会は、2005年度から07年度の3年間で合計6回。自民(4回、17人)、民主(2回、8人)、公明(自民と合同で3回、6人)の合計31人が参加しています。訪問した国はアメリカ、フランス、イギリス、ブラジル、ギリシャ、エジプト、カタール、アイスランドなど15カ国、23都市と全地球規模です。
使われた税金は全部で約5864万円。一人当たりの費用は約189万円で、もっとも高額だったのは、民主の北欧視察で約270万円です。都道府県議会で一議員当たりの費用は断トツ一位で、都議会を除いた全国平均82万円の2・3倍です(グラフ)。
140キロ遠回り、33万円かけての寄り道
 訪問先でのお金の使い方を見ると、無駄遣いのオンパレードで、庶民感覚とは遠くかけ離れています。
たとえば07年10月の自民5議員のフランス視察。パリからナントに向かう途中、世界遺産にも登録されているフランス北西部の干潟に立つ修道院「モン・サン・ミシェル」に、専用車で140㌔㍍も遠回りして寄り道。かかった費用は33万4000円でしたが、鉄道を使えば4分の1の8万5000円ですみました(図参照)。しかも、この“視察”は、報告書に記載されていません。
30分移動でも
専用車往復24万円
07年10月の民主4議員の北欧5カ国の視察。デンマークで空港からホテルまで30分程度の移動ですが、わざわざ専用車をチャーターし、片道12万円、往復24万円の大盤振る舞い。バスなら4人で2240円、タクシーを2台使っても4800円です。
調査内容のなぞ 日程にない“調査”に28万円
ほかにも、多額の費用をかけた“なぞの調査”は多々あります。06年11月の自民3議員、公明2議員のドイツ視察。フランクフルトからミュンヘンに移動後、午後7時から添乗員を伴い専用車を使用しての“調査”は、午後11時20分まで及び、かかった費用は約21万7千円。
さらに通訳を使わなかったためキャンセル料が約6万8000円も発生し、合計28万5000円も使いました。この“調査”は、報告書にも事前の計画書にも日程に入っていないものです。いったい何の調査だったのでしょうか。
これら無駄遣いや調査内容のなぞはほんの一例で、あげればきりがありません。共産党都議団は「都民に隠れて観光旅行に税金を使ったといわざるをえない」と指摘します。
▼マスコミも批判「税金が世界遺産『観光』に消えた」
マスコミも、こぞってこの問題を取り上げ、テレビのニュース番組やワイドショーにも登場しました。
TBS系「みのもんた朝ズバッ!」は、17分間も放映。自民、民主の両党議員が専用車などに費用がいくらかかっているのか知らないとインタビューに答えたことに、司会のみの氏は「税金で行くんだったら、おれは知らないよじゃ済まないんですよ」と怒り、コメンテーターの浅野史郎氏(慶応大学教授)も「なぜ海外(視察)に行かなくてはいけないのか、ほかにやることあるでしょ」と応じました。
「日刊ゲンダイ」は「これはヒドイ 都民の税金が世界遺産『観光』に消えた」との大見出しで報道しました。
自公、盗用に謝罪なし
海外視察をめぐっては、報告書の盗用問題が共産党の調査で発覚し、都民の大きな怒りをかったばかりです。民主党は盗用を認め謝罪しましたが、自民、公明両党は、盗用でなく引用だと開き直り、いまだに謝罪していません。また、3党とも費用の返還はしていません。
共産党、中止求める
共産党都議団は、海外視察を行っていません。「税金の使い方をチェックすべき都議会自身が、自らの浪費には目をつむり、再検討もしないことは許されない」とし、海外視察の中止を求めています。 |