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トップ>トピックス>新銀行東京問題 |08.11.30

新銀行東京 70億円赤字の中間決算 中小企業支援の存在意義失う

  東京都が1400億円を出資している新銀行東京は21日、今年度9月中間決算を発表し、70億円の赤字を計上しました。不良債権を大きく増やす一方で、融資残高は3月末から260億円ほど減らしており、改めて同行の存在意義が問われるものとなっています。 新銀行東京は今年春から金融庁の検査を受けており、検査結果をもとに不良債権処理の積み増しを迫られたとみられています。
9月末の不良債権残高は今年3月末に比べて43億円増え、349億円に達しています。不良債権比率も3月末の12・70%に対して、17・08%まで上昇しました。銀行の全国平均に比べて、7倍に達する数字です。経済状況が急速に悪化するなかで、不良債権は今後もさらに増える可能性が高まっています。
 9月決算の70億円という赤字額は、新銀行東京が掲げる再建計画で目標としていた73億円に比べると、3億円ほど少なくなっています。
とはいえこれは、本業でのもうけのうち、約20億円分は満期を迎えた外国企業債や国債などの債権が戻ってきたことに伴う「償還益」によるものです。融資の増加で利子を稼ぐといった本来の収益力が向上したわけではありません。
同行の再建計画では、来年3月末までにさらに中小企業への貸し出しを700億円まで減らそうとしています。金融情勢の悪化で中小企業への貸し渋りが深刻化するなかでの貸し出し減額であり、中小企業支援という存在意義がますます失われています。

◇国税投入  「ドブに捨てるもの」

  新銀行東京をめぐっては、新金融機能強化法案を審議をしている参議院財政金融委員会が25日に石原知事の参考人招致を求めていたことに対して、石原知事は公務を理由に欠席する方向であることも明らかになっています。よって今後、日程を調整していくことになります。
この参考人招致は、同行が新金融機能強化法の対象になれば、国税が投入される可能性も出るため、計画されたものです。
  日本共産党の笠井亮衆院議員と同都議団は4日、中川昭一金融担当相に対して、新銀行東京の速やかな処理と同法案の撤回を求める申し入れをしています。また、同党の佐々木憲昭衆院議員も10月31日の衆院税務金融委員会で、新銀行が融資を大幅に減らしたことなどを挙げて「こんなところに公的資金を投入しても、税金をドブに捨てるようなものだ」と批判しました。しかし中川担当相は「ルール通りにやる」と述べるだけで、新銀行への税金投入を否定していません。
 この税金投入については、石原知事の息子の石原伸晃衆院議員がNHKの番組で「法律の中には銀行に区別はない」と述べて、投入論の口火を切る役割を果たしました。石原知事も「法律ができる前にこのセクターに該当する、しないということを議論するのは、あまり健全な論議とは言えない」と述べ、新銀行を同法の対象から外すことに否定的な見解を示しました。

再建は困難ただちに処理を 共産党都議団幹事長

  共産党都議団の吉田信夫幹事長は21日、新銀行東京の中間決算について談話を発表しました。
談話は、同行の新規融資の6割が大企業向けで占めており、中小企業支援という設立目的からかけ離れていることや、不良債権がふくれあがっていることなどを指摘。「金融情勢が急速に悪化するもとで、再建計画の達成はますます困難に直面している」と述べています。
 そのうえで、石原知事と新銀行に対して、①不良債権の原因となっている不正融資の全容を公表し対策を取る②石原知事と新銀行東京の新旧経営陣は国会の参考人招致に応じる③金融庁の指導のもと、ただちに同行の処理に踏み出す―ことを要求しています。